高校教育指導課より

キャリア教育の更なる充実に向けて

教育局県立学校部高校教育指導課指導主事 若林 剛

 貴研究会におかれましては、日頃より生徒の進路実現のため御尽力を賜り厚く御礼申し上げます。

 現在、我が国は、グローバル化の進展や人工知能の飛躍的な進化など、激しい変化の中にあります。社会の加速度的な変化を受け止め、将来の予測が難しい社会の中でも、伝統や文化に立脚した広い視野をもち、志高く未来を創り出していくために必要な資質・能力を子供たち一人一人に確実に育むため、キャリア教育の充実が学校に求められています。

 さて、高等学校では、令和4年度から年次進行で新学習指導要領が実施されます。新学習指導要領では、総則において、「生徒が学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること」について明示されました。

 さらに、特別活動では、「学校、家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て、学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動を行う」際に、児童生徒が「活動を記録し蓄積する教材等を活用すること」とされたところです。

 このような状況を踏まえ、今年度より、全ての小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校において、「キャリア・パスポート」の活用が始まりました。この「キャリア・パスポー卜」は、「e-ポートフォリオ」とは異なり、生徒が自ら活動の記録を蓄積し、その「活動の記録」を振り返りに活用することで、新たな学習や生活への意欲につなげることを目的としています。

 また、令和2年11月13日に文部科学省の分科会である「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキングチーム」のまとめでは、全ての高等学校において入口から出口までの3つの教育活勤の方針(スク一ル・ポリシー)の策定の必要性が求められています。3つの教育活動の方針の一つに、「育成を目指す資質・能力に関する方針」が挙げられ、各学校におけるキャリア教育の充実を踏まえた策定が重要となります。

 埼玉県では、「私の志ノ一卜」を「キャリア・パスポート」として位置付けています。高等学校入学後に、生徒は小・中学校の活動記録である「キャリア・パスポート(高等学校提出用)」を持参します。各学校においては、「育成を目指す資質・能力に関する方針」を踏まえ、より一層キャリア教育の充実を図り、キャリア・パスポートを活用して頂くようお願いします。

 結びに、貴研究会のますますの発展を御祈念申し上げますとともに、本県高等学校の進路指導のより一層の充実に御尽力いただきますよう、お願い申し上げます。